北朝鮮問題の報道

南北朝鮮首脳会談が行われ,核施設の廃棄とか朝鮮半島の非核化とか,これから平和に向けたプロセスを踏んでいくんだ,というような好意的な日本の報道が目につきました。

ワイドショーなども好意的で,金委員長と文大統領の笑顔と,手をつないで国境を行き来するパフォーマンスを繰り返し放映していました。また,エピソードとして金正恩が冷麺を持参したことなども伝えていました。そんなことからイメージ的には,もうすぐにでも北が核を廃棄し,南北が統一されるのではないかと,期待する両国と周辺国,のように映ったのではないでしょうか。
しかし,ことはそんな簡単ではありません。1950年の朝鮮戦争,53年の休戦協定,もうそれから65年も経過しています。

マスコミは,これまで拉致問題ではさんざん北朝鮮に嘘をつかれてきたことを忘れてしまったのでしょうか。実の兄やおじを無残に惨殺したのは誰だったのでしょうか。そうしたことを棚において,そうした演出を無批判に受け入れている姿勢は疑問です。
一方の韓国は統一が悲願で,特に文大統領はその急先鋒だそうですが,韓国では大概,大統領をやめた途端在任時の罪で裁かれていますが,そうした政治体制にある国を心底信じてよいのでしょうか。

拉致問題が前進するには,日本の経済協力が不可欠と思われますが,仮にそうであるならば,人質を解放するのに身代金を払えというのと,違いがないことになります。また贋金や麻薬,昨今はサイバーテロまで何かと話題の多いかの国。

マスコミは,日本の立場に立って,冷静に報道することが必要ではないでしょうか。