市立病院と保健所

市立病院の基本計画が承認されました。今後はこれをもとに基本設計,実施設計へと進んでいきます。今回パブリックコメントを踏まえて修正となったことは口腔ケアに関することなどで,もっともなことでありました。

今回の基本計画の中では,地域の保健にも役立つ病院の姿を求めておりますが,ここで少々考えておく必要があるのは,仮に松本市が保健所を持った場合の市立病院の在り方です。現在の県の保健所との関係においては,市立病院であるからと言って,他の病院と同様,保健行政にかかわって特別に市立病院が果たす役割というものはありません。

しかし,これが市立の保健所と市立の病院という関係となれば話は違ってくると思われます。特に保健という観点では,率先して市立病院は役割を果たしていくここになると思うのです。まして,市長はこれまでにない先駆けとしての保健所をつくろうと決意しているのであればなおさらでしょう。そうした場合,現在の基本計画も変わってくるとも思われますので,その場合のことも想定しておく必要がありそうです。

一方,心配なのは,先進的な保健行政を行っていく意思というものが,どこまで継続できるかです。市長の思いは思いとして私は尊重するべきと思いますし,市長の高邁なお考えは市民を感動させるものがあります。ただ,そうした意思,思想を次の代,その次の代へと引き継いでいくことができるのか,ここが問題と思うのです。市長も永久にその職にあるわけではありませんので,次の代になったら先進的保健行政が萎えてしまったでは,話になりません。
10年先,20年先を見ろと市長もおっしゃいますが,難解なロジックとなりそうです。