衆議院選挙

衆議院選挙が公示されいよいよ総選挙がスタートした。長野2区の下馬評は自民党が有利。例のテレビに大写しとなった事件をして,また「魔の2回生」という呼称をして,人気は下がっていたが野党の総崩れでがぜん有利に戦いを進めている。
本来であれば,自民党と公明党の圧倒的な数によって,安倍一強と言われている状況が日本全体にとって健全とはいえない中,野党が攻め込むすきはたくさんあったはず。ところがそうした有利さに気が緩んだのか,民進党が二つに割れ,野党共闘の話も宙ぶらりんとなり,2区に至っては希望,社民,維新と,自民批判票の受け皿が3つに割れている始末。これでは勝負になりません。
しかし,安倍一強で良いと思っている有権者はそんなに多くはないはず。明らかにモリカケ問題はおごりから出た不始末。大叔父にあたる佐藤栄作氏は首相時代,ゴルフを共にしたのは親せきと秘書だけ,という徹底ぶりだったそうです。最高権力者である首相は,「李下に冠を正さず」程度の用心さではなく,完璧に孤独でなくてはならない。それが首相に資質,器というものでしょう。それができずに一般人と同じように,人生をエンジョイしていてはあらゆることを疑われるのは道理というもの。
ジャーナリストの田原総一郎氏は,今回の総選挙の理由について,トランプ大統領が北朝鮮を攻めた場合,日本にも影響が及ぶが,北朝鮮を攻めてから選挙では国内がまとまらない。攻める前に体制を整える意味での今回の選挙ではないかと,述べています。安倍首相は選挙前,トランプ大統領に真意を確かめたうえで今回総選挙に打って出たのではないか,と。もし,北朝鮮を攻めるとすれば,米中会談が11月にあり,その後の12月ごろではないかとも指摘しています。
とすれば,今回の選挙における自民の圧倒的勝利がいいことなのかどうか。有事の際の一枚岩は良いことでもあり,良くないことでもあります。北朝鮮のミサイル発射によるJアラート放送を奇貨として,国民にミサイル恐怖と防衛意識を大きく芽生えさせました。今回の選挙ではそうした意味で,防衛問題から自民という選択を促しているようにも見えます。
日本をどのように守っていくのか,アメリカとはどこまで一緒に行動するのか,自衛隊の在り方はどうあるべきなのか,それこそ国民の意思,判断を求めるべきなのではないでしょうか。モリカケ問題など緊迫した情勢からみれば些末。本質的な議論で選挙を戦ってほしいと思います。