射幸性

射幸性という言葉をご存知でしょうか。射幸性とは,賭博などで「偶然に得られる成功や利益を当てにする」性向です。端的に言えばギャンブルを行って大いに儲けたい心とでも訳しましょうか。

2020年のオリンピックに向け,外国人にお金を落としてもらうためにIR推進法(カジノ法)ができましたが,一方でギャンブル依存症が課題となっています。「濡れ手に粟」とくれば誰でもうれしいもの。しかし,ギャンブルをやって毎回勝てるなどあり得ない話です。普通の人であればそうしたことをしっかり理解していて,依存症にはならないのでしょうが,そうでない人は,たまたま勝った時の成功体験が忘れられず,「次は必ず勝てる」と思い込んでしまって依存症になってしまうのでしょう。ただ,人間は弱い生き物ですから,誰もが甘い誘惑からギャンブルにはまり込んで依存症になってしまうことがあるのかもしれません。心したいものです。

ところで,身近な「ギャンブル」としてのパチンコ。従来パチンコは「賭博ではない」と定義されていたようですが,IR推進法に絡んで公営ギャンブルと同一に語られるようになって,晴れて?ギャンブルの仲間入りを果たしたようです。このパチンコ。依存症にならない確実な方法があるのだそうです。パチンコのギャンブル性,つまり射幸性は一回の大当たりの確率によります。当たりの確率が高ければ見返りは低く,当たりの確率が低ければ見返りが大きいわけで,大きい見返りを狙って低い確率に挑戦し,結果散財してしまうのです。

では今のパチンコの大当たりの確率はと言いますと,約320回に1回。この確率をたとえば400回に1回とか,500回に1回とすれば見返りが大きくなります。半面,200回に1回とか,100回に1回となれば,当たる確率は高くなりますが,これでは「つまらない」パチンコとなってしまいます。そこで依存症ですが,「つまらない」パチンコなどやる人はいないと思われますので,これで依存症を防ぐことができるのです。ただ,こうした状態が続けばいずれ業界は破たんすることは火を見るより明らかですから,そこら辺のさじ加減が難しいところといえそうです。

私はギャンブルはやりませんので射幸心は低いと思われますが,新制「カジノ」で深みにはまらないよう,当たり確率の高い子供用パチンコゲーム機で遊ぶこととしますか。