国を動かす

新たな保健行政を確立して住民の幸福感を向上させる。国を動かす。
中核市への移行で菅谷市長の考えです。

松本市はこれまで,「健康寿命延伸都市・松本」,「3010運動」等々,確かに国を動かしてきた。野村総研の成長可能性都市ランキングでは,地方の20万都市としては破格といっていい,堂々の8位という高い評価もいただいてます。松本市に住んでいて,また松本市との関わりのあることで,誇らしい思いをしていただいている方も多いのではないでしょうか。

その意味では,松本市が「中核市」であることは必要なことなのかもしれません。そして,どうせ中核市になるのであれば,他の中核市とは違う切り口,つまり,医療者である市長を戴く本市として,保健行政においてこれまでできなかった領域へ踏み込んで,より市民の幸福度を高めていく,これは素晴らしい発想といえるでしょう。

しかし,現時点ではそれが何を指すのか,何をどうすればそうした市民満足が高まるのかがよく見えてまいりません。保健行政ははっきり言って許認可の部分が非常に多い。

先にも記しましたが,連携中枢都市とならなければならないことは本市の宿命であると思いますが,そこはどうなのでしょうか。

周辺の自治体は,松本市が中核的存在になっていただきたいと願っているようですが,果たして中核市となった時,県の保健所から松本市だけが抜けてしまうことを知っているのでしょうか。周辺自治体の財政へも少なからず影響があるというのに。

あと,現在では財政的なことがあまり議論されておりませんが,やはりコスパなどとは言いませんが,まさしく「費用対効果」,どれだけの費用をかけて,どれだけの効果が出るのか,というよりは今回の議論は「効果対費用」でしょう。どういう松本市を造りたくて,そのためにどれだけのお金をかけるのか。あらかじめ費用を削ってできる範疇でのまちづくりではないはず。どのようなまちにするのか,そのためにどれほどのお金をかけるのか,そうした議論が欠かせません。