人口知能と失業

野村総研の調査によりますと,これから10年から20年後には現在の仕事の49%は人工知能に置き換わるそうです。約半数の仕事を機械が人間から奪い取ってしまう,ということで私たちの生活が脅かされようとしています。
芸術,歴史学,考古学,,哲学,神学など抽象的な概念の知識が必要な職業や,他者との理解や交渉,サービス指向性が求められる職業は,生き残ることができる,ということです。たとえて言えば,映画監督や学芸員,テレビタレントなどなどだそうです。
一方,AIに置き換えられてしまう職業は,特別の知識,スキルを要しないものや,データの分析や秩序・体系的操作が求められるもの,ということです。たとえて言えば,一般事務,給食調理員,スーパーの店員等々で,どちらかというと,普通に働いている人々の職業はすべてあてはまりそうです。
こうなってしまっては,仕事なし,結婚なし,子供なし,がもっと増長されてしまう気がして恐ろしくなります。

しかし,本当に仕事がなくなってしまうのかというと,どうもそうでもないらしいのです。世界では,自動化が進んだ国ほど失業率が少ないのだそうです。ロボットやAIによって自動化されれば,たとえばこれまで体を使った作業を機械が助けてくれます。つまり,生活とテクノロジーが融合する素晴らしいチャンスがあるということです。

でも,自動化されれば人間の手はいらなくなり,仕事はなくなりますよね。ここが問題です。つまり,今までの仕事のやり方とは違う仕事としていかなければ,失業につながってしまいます。ではどうするのか。
それは,人生100年時代として,75歳ぐらいまで働くことを想定して,たとえば50歳になったら長期休暇を取得して,世界を旅するとか,新たな学習をして,今までの自分になかったものを身に着ける。そして起業するもよし,会社の中でより生産的な仕事に就くのもよし,いろいろなパターンが考えられる,そうです。従来と同じことをやっていたら失業ですが,失業しないようにスキルを身に着け向上させる,ということです。

人生100年時代の中で,60の定年以降40年の時間がある中で,定年となって,65歳から年金をもらう生活,というのは何とも味気ないですね。衰える記憶力や体力はまさに人工知能が代替してくれるのですから,何をしたら生産性が上がるのかを考える,そんな人がこれから求められているようです。