太陽光発電の未来

平成30年,新年あけましておめでとうござます。
天皇陛下の退位が平成31年4月と決まりましたので,実質平成は今年が最後。天皇の退位と新天皇の即位が4月,5月と決められたことは政府の方針のようですが,国民生活からすれば,1月1日か,4月1日に元号が変わるのが最もふさわしいわけです。「官邸主導」か何か知りませんが,天皇陛下を政治とは隔離させつつ,政府が自由に天皇陛下の在り方を決められるということは,穿った見方をすれば,いつか天皇の政治利用も可能となるということになります。官邸に対抗する宮内庁と皇室会議の役割が重要であることは論を待ちません。政府と宮内庁は敵対でも上下でもない関係を築いて,官邸が上だとの変な政治主導を振りまかないでいただきたいものです。

さて,昨年9月に総務省は「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査」結果を公表しました。それによると,平成24年の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が創設されて以来,太陽光発電の導入が拡大。耐用年数が20年から30年といわれる中,2040年にはなんと現在廃棄される太陽光パネル2,400トンの300倍強の80万トンが廃棄されるというのです。これだけ家庭の屋根や,遊休荒廃地に大々的に設置されている太陽光パネルが,一斉に寿命を迎えたらこれは推して知るべしです。

廃棄時に問題となるのが鉛,セレンといった有害物質の処理と,光が当てれば発電してしまうパネルの感電対策だそうです。仮に不法投棄となれば,不法投棄ではなくても台風や土砂崩れなどによる自然災害でも結果は一緒で,影響は甚大のようです。
環境省などは廃棄にあたってのガイドラインを定めているようですが,そんなことは知る国民はほとんどいません。

私は従前から固定価格買い取り制度がなくなる20年後に,事業を引き継ぐものなど基本的に存在しないとの観測の元,「太陽光20年先はごみの山」と警鐘を鳴らしてまいりましたが,対策を打たなければこれが本当のことになってしまいます。

儲ける時だけ儲けて,あとは知らないという人。自宅へつけて,「実質電気代タダ」を享受してきた人も廃棄費用に莫大なお金がかかり,結果チャラ。

結局儲かったのは,うまいことを言って太陽光を取り付けた業者だけ,そうなるような気がいたします。
環境のために太陽光を付けた者など,皆無に等しいのではないでしょうか。設置したのは基本的には儲かると思ったから,でしょう。
環境面重視であれば20年後も引き続き,電気が売れなくてもリニューアルしていただけるのでしょうが,はたして,どうなりますか。
いずれにしても,太陽光発電の未来が電気とは裏腹の「明るくない」ものであることは確かなようです。